この夏が終わっても

[ねぇ、気付いて?
道端であなたを見つめてる花が居たのは、偶然じゃないよ?
ねぇ、待って?
いつでも傍に居る、当たり前の存在にしないで?]

ずっと、ずっと…。
言えなかった言葉。

たった一言言う事が、こんなに難しくて…。
でも、少し素直になれば…。
こんなにも簡単な事だって気付いた。


[私、頑張るから
ちっぽけな名もない小さな花だけど
あなたに気付いてもらえるように、今誰よりも大きく咲くから

もし、この想いがあなたに届いたのなら
どうか私に、愛の水を下さい。]

今日が最後でも、構わない。
いつか散ってしまう花ならば、最後は大輪を咲かせて…。花吹雪のように舞うの。

……でも。
もしも、私の想いが実るなら……。


[ずっと、私を永遠にあなたの花にして下さい。]

私は、最後の望みをかけて…。伝える。
< 128 / 139 >

この作品をシェア

pagetop