この夏が終わっても

「///っ…将ちゃん。将ちゃんッ…///。」

俺の名前を何度も呼びながらしがみ付いてくる里奈を、もう絶対に離したりしないと心に誓って抱き返す。

そして、俺は伝える。


「…里奈、お前にお願いがあるんだ。」

腕の中の里奈に、あの日…。
あのファミレスで本当に言いたかった言葉を伝える。


「俺と、付き合って下さい。
この夏が終わっても、秋になっても…。
ずーっとずーっと…俺の傍にいてほしい。」

「っ……はいっ///。」

真っ直ぐ俺を見上げた里奈が、微笑った。
その笑顔は、俺にはやっぱりヒマワリの花みたいに見えた。

でも、今はそれより言いたい言葉がある。


「里奈、大好きだよ。」

「私も、大好き。」

自然と重なった、唇と唇。

素直な気持ちを囁いて…。
この夏に、嘘の恋人から始まった俺達は…。

夏の終わりの今日、本当の恋人になった。
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