この夏が終わっても
ドキドキしながら、見上げると将ちゃんが微笑った。
格好良いのに可愛いその笑顔に胸がキュンッとして、私もつられて笑顔になる。
「似合ってるじゃん。
服装も髪型も、可愛い。」
「///っ…あ、ありがとう。」
私の頭をポンポンッと撫でて、その手をそのまま将ちゃんが差し出す。
「ほら、行くぞ。」
「うんっ///。」
彼の素直な言葉と行動に、私も自然と素直になって差し出された大きな手を取った。
「今日はどこ行きたい?」
「ん〜とね、カラオケで将ちゃんの歌を聴いて…。それから、プリクラ撮って二人で落書きしたい!」
互いを確かめ合うように、指と指の間に指を絡めてギュッと繋ぐと、私達は一歩踏み出した。
もう決して、歩みも心も離れたりしないよう寄り添って…。
私達は幼馴染み。
16年間の初恋を実らせて、これからは恋人として一緒の時間を刻んでゆく。
【終わり】