この夏が終わっても

『は、はいっ…!も、もしもし!将ちゃん…?!
あ、あのね!さっきのLINEなんだけどっ…間違い!間違いなのっ…!』

「!…は?間違い…?!」

電話が繋がるやいなや、里奈の爆裂トークと”間違い”という言葉に俺は焦ってベッドの上で寝そべっていた身体を起こす。


ま、間違いって…。
デート、OKじゃないって…事か?

スマホを耳に当てたまま、俺は放心状態。
やっぱりあんな誘い方ではダメだったか、と肩を落としていると…。


『う、うんっ…。
なんかね、ビックリしちゃってあんな事送っちゃったけどっ…。ホ、ホントは嬉しいからっ…///!!』

「……。……えっ?」

俺の耳に届いたのは、照れたような声で焦ってLINEの文面を訂正する彼女の声。


『い、行きたい…!
将ちゃんと、デート…行きたいの///!』

里奈の声は物凄く大きいのに、俺はその言葉に耳を疑ってなかなか返事が出来ない。
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