この夏が終わっても
将馬side
幼馴染みって、厄介だよな。
気付いたらいつも一緒にいて、兄と妹のように育ってきたから…。
簡単に好きなんて言えない。
3つ年下の彼女は、いつも無邪気に俺を追いかけてくる。
俺が中学に上がった時、彼女はまだ小学四年生。
高校生に上がったら、彼女はまだ中学生。
大学生になったら、彼女はやっと高校生。
待って、待って、待ち続けた。
兄と妹のような関係から、変われる日を。
”早く大人になれよ”ってもどかしい感情を、抑えるのが苦しくなってきた。
俺がこんな気持ちでいる事を、きっと彼女は知らないよな?
佐伯将馬、大学一年生。