この夏が終わっても

「あ、い…嫌じゃないの!
緊張しちゃって…ごめっ…///。」

「///っ……。」

彼女の初々しい表情と仕草に、せっかく平常心が戻りかけていた俺も再び心拍数が上がる。

小さくて細い里奈の手。
全てが愛おしくて、離したくない。


「……いいよ。
俺は、そんなん…気にしねぇから……。このまま、行くぞ。」

やっと掴まえたんだ。
右手を少し緩めて、俺は彼女の左手の指と指の間に自分の指を絡めるようにすると…。ギュッと握り直して恋人繋ぎに変えた。

するとその瞬間。
反応が気になってチラッと視線を里奈に向けた俺の目に映るのは、とても可愛らしく表情を綻ばせている彼女。


///…なぁ、里奈。
俺、自惚れても…いいか?
お前も俺と同じ気持ちだって、思って…いいか?

心の中でそう問いかけながら、俺は里奈のその表情をずっと見ていたいと思った。
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