この夏が終わっても

「む、無理…かな?やっぱり…。」

ストレートに気持ちを伝えられない自分が、踏み出した一歩だったが…。やはり考えが甘いのかと思った。
しゅんとして俯くと、下げた頭を髪の毛がくしゃくしゃになるくらいに激しく撫でられる。


「!…わ、わっ…清香、ちゃんっ?」

乱れた頭を手で抑えながら顔を上げると、落ち込んでいた私を励ますように清香ちゃんが元気に微笑った。


「ま、里奈には里奈のやり方があるからいいんじゃない?
確かに、何がキッカケになって上手くいくか…なんて。誰にも分かんないしね!」

そう言うと清香ちゃんは私の髪を整えながら、言葉を続ける。


「…ただ、私が心配なのは……。その微妙な関係に、あんたが苦しくなったり辛くなったりしないかって事。ただ、それだけだよ。」

「清香ちゃん…。」

清香ちゃんの言葉にジーンとして胸が熱くなって、涙が出そう。
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