この夏が終わっても

二人きりで話す事はまずないし、きっと会話も続かないと思う。そんな関係だ。


「……彼女とは、別れたから。」

俺以外の奴等に問い詰められて答えた、涼のそんな理由にも興味はなかった。
でも…。
涼が次に発した言葉が、俺はなぜか気になる。


「他に…気になった子が、いて…。
だから、今の彼女とは…別れた。」

その答えは意外で、俺は思わず横目で涼を見ていた。
俺の知る限り、ってそんなよくは知らないが…。涼は人を傷付けたりしない、良く言えば優しい、悪く言えば優柔不断な男。
その涼が、自分から今カノをフッたなんて意外すぎる。
しかも…。


「へぇ〜!涼が自分から好きになるなんて初めてじゃん?どんな子だよ??」

「……。分からない。」

「?……へ?分からない?」

「///……一目惚れ、というか。
少し、話した…だけだから……///。」

そう言って、普段涼しい表情をしている涼が真っ赤になって汗をかいていた。
その姿が、なぜだか俺をイラつかせる。
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