この夏が終わっても

「…そんな理由で、今カノフッたの?バカじゃん。」

周りの友人が涼の恋話で盛り上がる中、俺の口から出た言葉。

悪気はなかった。
幼い頃からずっと里奈が好きで、一目惚れなんて経験のない俺には涼の気持ちが理解出来なかったんだ。


「それに、何もこんな時期に別れなくてよくね?お前さ、この計画知ってただろ?
なのに、今更自分勝手な気持ちで楽しい雰囲気壊すなよ。」

「ちょっ、将馬…!」

智樹や他の友達が、険悪になりそうな雰囲気を察して止めようとしたけど…。俺の口は止まらなかった。


「それに、そもそもお前の親戚の民宿行くのに抜けられる訳ねぇじゃん。
なに?また俺達に一から計画立て直せって事かよ?」

「将馬!やめろって…!」

智樹が強い口調で遮り、涼に詰め寄りそうな俺を止めた。
正しい事を言ってんのは俺なのに…。みんなが涼の味方をしているように見えて、更にイラつく。
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