この夏が終わっても
俺がどんな想いで、里奈に恋人役頼んだと思ってんだよ。
ホントは大事にしたくて、あんな頼み方で彼女になんてしたくなかった。
でも、里奈以外の女を嘘でも恋人になんてしたくなくて…。
俺だって我慢してこの計画に付き合ってんのに、なんで勝手に抜けようとした涼が庇われてんだよ…!!
いつもそうだ。
涼は何もしてないのに、いつも自然と周りにチヤホヤされてて…。
俺が頑張らなきゃ手に入れられない物を簡単に持っていくんだ。
「……俺、帰るわ。
みんなに合わせるから、決まったらLINEして。」
俺は智樹に掴まれてた腕をゆっくり解くと、みんなを見ずにその場を去った。
……。
帰り道を歩いていると、ズボンのポケットに突っ込んでいたスマホが震える。
『部活終わったよ(^^)
今日は部活内で発表会があったんだけどね、私また失敗しちゃった〜(>_<)』
里奈からのLINE。
開いて確認すると同時に笑みがこぼれた。