この夏が終わっても
スマホ画面を見つめて落ち込む私。
その時…。
「……みんな、ごめ〜ん!私水着忘れちゃったみたい!」
大声で、慌てた未来さんの声が聞こえた。
「里奈ちゃんと二人で待ってるから、遠慮しないで着替えてきて〜!」
未来さんは「え?」と顔を上げた私の傍に来ると、みんなに謝るように手を合わせて見送って、隣に座った。
その行動に驚きながらも…。とってもいい香りがして綺麗な未来さんの横顔に、私は思わず見惚れてしまう。
大人っぽい雰囲気にぽ〜っとしていると、視線に気付いた未来さんは微笑んで私の手元を見た。
「あ、いいな〜プリクラ撮ったの?
将馬君とラブラブじゃん。」
「!…えっ?
あ、あっ…これは……ッ///。」
未来さんが見つめるのは、私のスマホの待ち受け画面。
少し前に、今回の旅行に付き合うお礼に何か言う事聞いてやるって言われて…。一緒に撮ってもらったプリクラの画像。
撮ってもらった時は嬉しくて、幸せで…。
でも、見る度に切なくなってきて…。