この夏が終わっても
「あ、あの時のお兄さん!
しょ…っ…///。…将、馬の…お友達だったん、ですねっ///。」
里奈が、恥ずかしそうに言葉を詰まらせながら涼に言う。
なんだよ、その可愛い照れた仕草…っ。
涼と会えて…嬉しいのかよっ?
俺は、知らなかった。
里奈が俺を”将馬”と呼ぶ事を、嬉し恥ずかしく思っていた気持ちを…。
このハニカミは涼ではなく、俺へのものだった事も…。気付くのは、だいぶ後。
「!…え?…君…将馬、君の…。
将馬君の…彼女、なの……?」
里奈の反応に、察したように隣の俺を見る涼。
その驚いた表情が、また俺をイラつかせた。
んだよ、その顔…ッ。
俺の彼女だって、そんなに意外かよっ…!
俺は独占欲の塊になって、隣に居る里奈の肩を自分に引き寄せて、今までにないくらいグッと密着した。
突然の事に驚いた里奈は固まって、持っていた手荷物を地面に落とす。