この夏が終わっても
もしかして、お友達と喧嘩でもしてるのかな…。と、心配になる。
将ちゃんは意地っぱりで強気に見えるけど、ホントはすごく寂しがり屋さん。
陰で努力するタイプだから誰も気付かないだけで、不器用なの。
優しいのに、口が悪いからよく誤解されてお友達と喧嘩しちゃったり…。
「将ちゃんと、話したいな…。」
少しだけ、夜一緒に抜け出したいってLINEしたら…。迷惑、かな?
……。
少し考えて、私はとりあえず『ご飯あんまり食べてなかったけど、大丈夫?』とLINEを送って脱衣所を出た。
すると…。
「あ!里奈ちゃん…!」
「!……涼、さん?」
部屋に戻ろうとした廊下で、私を呼び止めたのは涼さん。
遠慮がちに歩み寄ってくると、私に小声で話し掛けてくる。
「あ、あのさ…。
少しだけ、表で話せないかな?」
「え……?」
涼さんの言葉に、一瞬迷った。