この夏が終わっても
【中庭】
「すみません、お待たせしました!」
私が駆け寄ると、ベンチに座って待っていた涼さんは優しく微笑んでくれて、隣に座るように促された。
ベンチに腰を降ろすと、涼さんが私に可愛い包装紙に包まれた物を差し出す。
「……え?」
「中、開けてみて。」
なんだろう?と、疑問に思いながらゆっくり包装紙を開封すると…。中から出てきたのは、可愛いクマの柄のハンカチ。
「この前の、ハンカチのお礼。
名前も、聞いてなかったから…。今日、ここで会えて良かった。」
「!…え?そんなっ…いいです!」
まさかの贈り物に驚いて返そうとするが、涼さんの手に押さえ込まれて遮られる。
「いいの、受け取って。
だって、君がくれたハンカチ百均なんて嘘。
僕が受け取りやすいように、そう言ってくれたんだよね?」
「っ……。」
確かに、百均なんて嘘。
あれは家族で旅行に行った時に買った、お気に入りのハンカチだった。
「すみません、お待たせしました!」
私が駆け寄ると、ベンチに座って待っていた涼さんは優しく微笑んでくれて、隣に座るように促された。
ベンチに腰を降ろすと、涼さんが私に可愛い包装紙に包まれた物を差し出す。
「……え?」
「中、開けてみて。」
なんだろう?と、疑問に思いながらゆっくり包装紙を開封すると…。中から出てきたのは、可愛いクマの柄のハンカチ。
「この前の、ハンカチのお礼。
名前も、聞いてなかったから…。今日、ここで会えて良かった。」
「!…え?そんなっ…いいです!」
まさかの贈り物に驚いて返そうとするが、涼さんの手に押さえ込まれて遮られる。
「いいの、受け取って。
だって、君がくれたハンカチ百均なんて嘘。
僕が受け取りやすいように、そう言ってくれたんだよね?」
「っ……。」
確かに、百均なんて嘘。
あれは家族で旅行に行った時に買った、お気に入りのハンカチだった。