この夏が終わっても
「!…将ちゃん。」
顔を上げて確認すると…。いつの間にか、私の傍に来ていたのは将ちゃん。
将ちゃん…///。
将ちゃんに会えた…///。
ホッとしたと同時に嬉しさが込み上げる。
でも、湯上がりのスッピンの姿だと気付きハッとして慌てて顔を手で隠そうとすると…。その手を、大きな手が思いっきり掴んできた。
「!っ…いたッ。
しょ、将…ちゃん……?」
痛いくらいに手に込められた力。
いつも、優しく私の手を包んでくれる将ちゃんとは違う雰囲気に戸惑う。
「……あ、ごめ…ん。
私、またっ…将ちゃんって、呼んで…///。」
自分なりに怒らせてしまった理由を考えて謝るが、将ちゃんは私の顔を見ないまま強引に手を引いて、中庭から連れ出した。
……
………。