この夏が終わっても
多分5分も経っていないが、俺は耐えられなくなって男子部屋を出ると女子部屋へ行き扉をノックした。
「は〜い?
…あれ、将馬君。どうしたの?」
出て来たのは、未来。
「……里奈は?」
そう未来に尋ねながらも、俺の視線は部屋の奥の里奈を捜している。
…だが、いない。
トイレか?と部屋の前で待とうとすると、未来が「あれ?」と首を傾げながら言った。
「里奈ちゃんなら、少し外に出て来るって言ってたよ?」
その言葉に、耳を疑う。
「!…は?こんな夜に?
っ…なに黙って行かしてんだよ!」
未来の言葉に思わず声を上げる俺。
未来を始め、部屋の女子達が驚いて俺に視線を向ける。
「だ、だって…。一人で遠くに行くなんて思えないし…。
てっきり、将馬君と一緒だと……。」
「っ……!!」
俺は未来や他の女子達がなだめようとするのを無視して、その場を駆け出した。