この夏が終わっても

「…俺達も行こう!」

智樹がそう言うと、頷いて男性陣は涼を追いかけて行って…。
残ったのは、俺と女性陣。


「将馬君。…なんで?
里奈ちゃんを捜しに行ったんじゃ…ないの?」

部屋に戻ろうとする俺に、未来が目に涙を溜めながら言った。


「里奈ちゃんは、あんたの事が大好きなんだよっ?
将馬君だってそうでしょう?だったらっ……。」

里奈が俺を好き。
そんな事、信じられなかった。

里奈の事をじゃなくて、もう俺が俺に失望していた。
こんな俺を好きになってくれる訳ない。
俺の傍に居たって、里奈は幸せじゃないって…。


俺は、未来の言葉も最後まで聞かずに…。
部屋に戻って、荷物をまとめ始めた。

……
………。
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