この夏が終わっても
【海岸】
「……。あった…。」
私は将ちゃんに投げ捨てられたハンカチを見付けると、手に取って見つめた。
「…酷いなぁ……。
人のファーストキス奪っといて、お子様に興味ない…なんて……っ。」
キスされた唇にそっと指で触れる。
好きな人としたのに、ずっと夢に見てたのに…。あんな一瞬の、勢いだけの、触れ合いだった。
「将…馬の、バカヤロー……ッ。」
涙が溢れてきて、頬をつたりポタポタと地面に落ちる。
でも、怒れない。
嫌いになんて、なれない。
「っ……将ちゃんに、ッ…。
フラれ、ちゃったんだ……っ。」
私がこんな性格だから、いつまでもハッキリしないお子様だから…。将ちゃんはきっと面倒臭く、なってしまった。
こんな事になってしまうなら、もっと早く気持ちを伝えておけばよかった。
16年間大切にしていた初恋が、こんな形で終わってしまって…。悲しみを通り越して苦しい。
「……。あった…。」
私は将ちゃんに投げ捨てられたハンカチを見付けると、手に取って見つめた。
「…酷いなぁ……。
人のファーストキス奪っといて、お子様に興味ない…なんて……っ。」
キスされた唇にそっと指で触れる。
好きな人としたのに、ずっと夢に見てたのに…。あんな一瞬の、勢いだけの、触れ合いだった。
「将…馬の、バカヤロー……ッ。」
涙が溢れてきて、頬をつたりポタポタと地面に落ちる。
でも、怒れない。
嫌いになんて、なれない。
「っ……将ちゃんに、ッ…。
フラれ、ちゃったんだ……っ。」
私がこんな性格だから、いつまでもハッキリしないお子様だから…。将ちゃんはきっと面倒臭く、なってしまった。
こんな事になってしまうなら、もっと早く気持ちを伝えておけばよかった。
16年間大切にしていた初恋が、こんな形で終わってしまって…。悲しみを通り越して苦しい。