この夏が終わっても
そして、帰って来てからは部活練習に熱中して明け暮れる日々…。その甲斐あってか、最近ではそんなに失敗する事も、緊張する事も、なくなったんだ。
辛かった、けど…。
強くならなきゃ、って思った。
将ちゃんとの想い出、初恋の時間を、無駄な事だったなんて思いたくない。
その為に、自分の今の精一杯を頑張るの。
……。
打ち合わせがひと段落して、スマホを確認するとLINEが届いている。
『部活頑張ってる?
早く終わるようなら、お茶しませんか?』
涼さんからのメッセージ。
「お!なになに〜?デートのお誘い?
里奈ちゃんモテモテだね〜?」
背後から抱き付くようにしてスマホを覗き込んだ清香ちゃんが、ニヤニヤと笑いながら私の頬をぷにぷにと指でつつく。
「そんなんじゃないよ。
涼さんは、そんなんじゃ…ないよ。」
私が首を振ると、清香ちゃんは「そっか。」と微笑んだ。