にゃんとも失せ物捜査課です
第1章 血の海に漂う猫
1.豆大福と猫
血の海…。
そこに似つかわしくない白いワンピースの裸足の少女。
少女はただただ横たわっているモノを見ていた。
紅葉が美しい綺麗な庭。
しかし草花が生い茂る緑の上にあるのは紅葉の赤ではなかった。
異質な赤が辺り一面に広がっていた。
「だぁ!どうやって入ってきたんだ。
ここは立入禁止になっているはずだ。」
少女を担ぎ上げその場から離す。
持ち上げられた体はスカートをヒラヒラと揺らし、あたかも幻想的だ。
「どこから入ってきたんだって聞いてるんだよ。
ガキが来るような場所じゃな………痛ってー!何しやがる!!!」
肩から降ろした少女に思いっきり手を噛まれた。
睨んでいる少女は「うぅー」と唸り声を上げる。
サラサラとこぼれる髪の下からのぞく瞳は不満の色を浮かべていた。
「何してるんだ。ワン公。」
嫌な呼び方をされ眉をピクリと上げつつ振り向くと、捜査一課の刑事達が手袋をしながら歩いてきた。
「ガキの遊び場じゃないぞ。」
「だから迷子のこいつを……。」
嫌な奴らに会っちまった。
だからこんな所に来るのは嫌なんだ。
辟易してその場を立ち去ろうとする背中に未だ毒を浴びせられる。
「ワン公も含めて言ってるんだが?」
クツクツと嫌な笑いともに冷めた口ぶりで付け加えられた。
「なぁ。失せ物捜査課の犬飼くん?」
そこに似つかわしくない白いワンピースの裸足の少女。
少女はただただ横たわっているモノを見ていた。
紅葉が美しい綺麗な庭。
しかし草花が生い茂る緑の上にあるのは紅葉の赤ではなかった。
異質な赤が辺り一面に広がっていた。
「だぁ!どうやって入ってきたんだ。
ここは立入禁止になっているはずだ。」
少女を担ぎ上げその場から離す。
持ち上げられた体はスカートをヒラヒラと揺らし、あたかも幻想的だ。
「どこから入ってきたんだって聞いてるんだよ。
ガキが来るような場所じゃな………痛ってー!何しやがる!!!」
肩から降ろした少女に思いっきり手を噛まれた。
睨んでいる少女は「うぅー」と唸り声を上げる。
サラサラとこぼれる髪の下からのぞく瞳は不満の色を浮かべていた。
「何してるんだ。ワン公。」
嫌な呼び方をされ眉をピクリと上げつつ振り向くと、捜査一課の刑事達が手袋をしながら歩いてきた。
「ガキの遊び場じゃないぞ。」
「だから迷子のこいつを……。」
嫌な奴らに会っちまった。
だからこんな所に来るのは嫌なんだ。
辟易してその場を立ち去ろうとする背中に未だ毒を浴びせられる。
「ワン公も含めて言ってるんだが?」
クツクツと嫌な笑いともに冷めた口ぶりで付け加えられた。
「なぁ。失せ物捜査課の犬飼くん?」
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