君のことが気になって仕方がない
練習中、マネージャーが突然倒れた。
俺は誰よりも先に駆け寄り、マネージャーをおぶって保健室へ連れていった。
「マネージャー、横になって下さい」
「うん……ありがとう、中村君……」
マネージャーはベッドで横になると、すうっと眠りについた。
朝からずっと熱があったなんて、無理しすぎですよ。
俺も俺だよな。こんなに好きでずっと見てたのに、熱があったことに気づけなかったのが悔やむ。
バスケの練習に戻らないといけないけど、苦しそうに眠っているマネージャーを一人にしたくない。
マネージャー……。
寝顔を見ながら、ふと、この前の体育館でのことを思い出した。
マネージャーを後ろから抱きしめて、気持ちを確認した。
けど──
(ごめんね。もうちょっと待ってほしい。まだ、気持ちに整理がつかなくて……ごめん)
ホントは、もっと強引にいきたかったけど……
わずかに震えてるマネージャーに、それ以上は踏み込めなかった。
あれでも、マネージャーの気持ちは少しだけ俺に傾いてくれていると確信は出来たんだから、それだけでも進歩だと思わないと。
「俺、男を磨きます。
マネージャーのことも、もっとちゃんと見ます。
だからいつか……100%、俺に振り向かせてみせます」
あと……
今だけ強引なことをするのを許して下さい。
俺は、無防備なマネージャーに顔を近づけて……
勝手に、唇を重ねた。