空飛ぶ計画
ここは少し高めのマンションの七階、私の部屋のベランダ。

私は窓に向かって、自作の詩を朗読し終えたところだった。詩を書いたノートを閉じて足元に置くと、サンダルをきっちり揃えて脱いだ。







パチパチパチ。





!?
音が、する。人が手と手を合わせる音がする。音源を探るとそれは下の階のベランダから聞こえる様だった。


私の詩に、拍手…?

私は今尚浴びせられる拍手を信じられなかった。

その内に拍手は段々と小さくなり、やがて、止んだ。

私はサンダルを履いてノートを拾う。小さく、ありがとうございました、と呟いて空を見上げた。
私の目には確かに空を楽しそうに飛ぶ少女が見えていた。
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