空飛ぶ計画
「あるところに、頭がかぼちゃの少年と少女がいました。二人はいつも一緒です。頭がかぼちゃなのは自分達だけでしたが、それを誇らしくも思っていました。
二人には親がいませんでした。気が付いたら頭がかぼちゃで、そんなかぼちゃ頭がもう一人、目の前にいたのです。その時から二人はいつも一緒です。ずっと一緒です。お互いが、必要でした。
しかしある時、言いました。少年が少女に言いました。僕らは頭がかぼちゃだから誰からも愛されないんじゃないか、と。少女も言います。きっとそうだわこの頭がいけないのよ、と。少年は少女の手を握り言いました。ならこの頭を砕こう!きっとかぼちゃの下に人間の顔があるに違いない、と。少女はかぼちゃながらに少年を見つめて言います。なら私の頭をあなたが砕いて!あなたの頭は私が砕くわ、と。
二人は両手を繋ぎ、かぼちゃ頭で見つめあいました。やがて二人は右手を離して少年は大きな包丁を取り出します。少女は大きなとんかちを振り上げます。
二人の砕ける音が、響きました。バラバラになったオレンジ色のかぼちゃは辺りに散らばりました。二人は左手を繋いだまま動きません。二人のかぼちゃ頭の中には、何もありませんでした。人間の顔などありませんでした。二人は左手を繋ぎ、右手に凶器を持って動かなくなりました。永遠に動かなくなりました。」
二人には親がいませんでした。気が付いたら頭がかぼちゃで、そんなかぼちゃ頭がもう一人、目の前にいたのです。その時から二人はいつも一緒です。ずっと一緒です。お互いが、必要でした。
しかしある時、言いました。少年が少女に言いました。僕らは頭がかぼちゃだから誰からも愛されないんじゃないか、と。少女も言います。きっとそうだわこの頭がいけないのよ、と。少年は少女の手を握り言いました。ならこの頭を砕こう!きっとかぼちゃの下に人間の顔があるに違いない、と。少女はかぼちゃながらに少年を見つめて言います。なら私の頭をあなたが砕いて!あなたの頭は私が砕くわ、と。
二人は両手を繋ぎ、かぼちゃ頭で見つめあいました。やがて二人は右手を離して少年は大きな包丁を取り出します。少女は大きなとんかちを振り上げます。
二人の砕ける音が、響きました。バラバラになったオレンジ色のかぼちゃは辺りに散らばりました。二人は左手を繋いだまま動きません。二人のかぼちゃ頭の中には、何もありませんでした。人間の顔などありませんでした。二人は左手を繋ぎ、右手に凶器を持って動かなくなりました。永遠に動かなくなりました。」