空飛ぶ計画
「あるところに私がいました。私はとても平凡な人間でした。高校に入学した数ヶ月後、ある時空を飛びたいと思いました。海に暮らしたいと思いました。ふたりぼっちになりたいと思いました。
でも私には無理でした。とてもとても無理でした。私には羽がありません。私にはウロコがありません。私には頭を砕いてくれる人がいません。私は世界の全てに絶望し、人間を嫌い、私を拒絶しました。学校を辞めました、親と口をきかなくなりました、私を痛めつけました。
でも疲れてしまいました。私はとても疲れてしまいました。世界に、人間に、私に、さよならしようと決めました。けれどもひとつだけ聞いて欲しい詩がありました。お空に向かって読みました。大好きなお空に向かって読みました。
靴を揃えて脱ぎ、お空に飛び立とうとしました。
拍手が聞こえて来ました。お空から拍手が聞こえて来ました。私は嬉しかったのです。さよならしたいのに、まだこの世界にいたいと思えたことが嬉しかったのです。
それから海に暮らす少年の話を書きました。頭がかぼちゃの少年と少女の話を書きました。そして私自身の話を書きました。私、本当はこの世界で生きていたいのです。」
でも私には無理でした。とてもとても無理でした。私には羽がありません。私にはウロコがありません。私には頭を砕いてくれる人がいません。私は世界の全てに絶望し、人間を嫌い、私を拒絶しました。学校を辞めました、親と口をきかなくなりました、私を痛めつけました。
でも疲れてしまいました。私はとても疲れてしまいました。世界に、人間に、私に、さよならしようと決めました。けれどもひとつだけ聞いて欲しい詩がありました。お空に向かって読みました。大好きなお空に向かって読みました。
靴を揃えて脱ぎ、お空に飛び立とうとしました。
拍手が聞こえて来ました。お空から拍手が聞こえて来ました。私は嬉しかったのです。さよならしたいのに、まだこの世界にいたいと思えたことが嬉しかったのです。
それから海に暮らす少年の話を書きました。頭がかぼちゃの少年と少女の話を書きました。そして私自身の話を書きました。私、本当はこの世界で生きていたいのです。」