瞳、絡む瞬間。
そんな事を考えてた時だ。
吾郎に呼び止められたのは。
「杏奈。これ。」
「何これ。」
紙切れの様なものだった。
「まぁええやん。
1人の時みてな。」
この時から少し胸がドキドキしてた。
紙切れの隅のちっちゃなハートのマークに、そんな訳ないと心に言い聞かせるけど、体は素直で熱っぽくなってゆく。
トボトボと1人で帰り道を歩く。
2年前位なら、私と泉と、龍と敬と。
4人で肩を並べて歩いていたのに。
中学生が男女4人で帰るなんてね。
なんだか可笑しいけど。
あの幸せがあの頃は当たり前で。