瞳、絡む瞬間。





「杏奈。





俺とお前、いつ出会った?」






「高校に入ってから。でしょ?」





まぁ、そうだよな。






だから少し声を高くして





「…あんちゃん。」





これで君は気づいてくれるだろうか。





「……?」





「やっぱ無理か。





じゃあ、教えてあげる。





幼稚園の頃。





同じクラスにいたんだよ?俺。





俺があんちゃんってよんで、杏奈がごろーくんって。





あの時から俺は。





お前を忘れたことなんてなかったよ。」






ポツリ、ポツリと喋る俺に、君はハッと息を呑んだ。
< 62 / 100 >

この作品をシェア

pagetop