瞳、絡む瞬間。



そういうと、杏奈は俯いてただ涙を流していた。






俺が小さい頃、俺の親は仲が良かった。





俺が年長に上がるまでは。






俺が年長になったあの夏。





母さんが乗っていた車と、もう一つの車がぶつかって母さんは死んだ。





もう一つの車に乗っていたのが杏奈の父親だった。





悪びれる様子もなく、ただ逮捕されただけ。





「ひき逃げ」という汚名を着せられて。
< 64 / 100 >

この作品をシェア

pagetop