瞳、絡む瞬間。





「杏奈さん、吾郎を頼むよ。」






そういった父に、全てを知る杏奈は俯きながら




「…はい。私が吾郎…さんのHEROになります。だから、どうか、一緒にいることを許して下さい。」





頭を下げてこう言った。






あぁ、どうして君はこんなにも純粋で。






どうして僕は、こんな君を捨ててしまったのだろう。






真っ直ぐに思いをぶつけてくれる杏奈に、曲がった思いしかぶつけられなくて。






こんな俺を君は、どう思う?






そう聞けたらどれだけいいか。
< 79 / 100 >

この作品をシェア

pagetop