瞳、絡む瞬間。
「杏奈さん、吾郎を頼むよ。」
そういった父に、全てを知る杏奈は俯きながら
「…はい。私が吾郎…さんのHEROになります。だから、どうか、一緒にいることを許して下さい。」
頭を下げてこう言った。
あぁ、どうして君はこんなにも純粋で。
どうして僕は、こんな君を捨ててしまったのだろう。
真っ直ぐに思いをぶつけてくれる杏奈に、曲がった思いしかぶつけられなくて。
こんな俺を君は、どう思う?
そう聞けたらどれだけいいか。