瞳、絡む瞬間。
だってさ、知らなかったんだ。
恋なんて。
知らなかったんだ。愛なんて。
人が簡単に言う愛するという言葉がどれだけ重いものか、俺は全然分かっちゃいなかった。
杏奈の言葉に、父は今度こそ本物の笑みを浮べ「一緒にいてやってくれ、、。あぁ、杏奈さん、少し話したいことがあるから来てくれないか?」
そういって父は杏奈を連れて出ていった。
きっと、俺の死が近づいていることを告白したのだろう。
こんな俺に、出来ることなんて…。
そう思っていたけど、最近は詩をかくことにはまっている。
詩と言うよりも歌詞と言った方がいいだろうか。
いつか来る死を前に、出来ることなんて一つでしょう?
書いて、書いて、ひたすら書いて、
それを未来に繋ぐこと。