バレンタインと俺の心情



しばらくの間、放心状態で待っている俺。



───「山村くん!!」


ふと、真桜さんの声が聞こえてきて我に返る。


「......真桜さん」


少し気まずい。


けど、今この瞬間俺のために真桜さんがいる。


電話越しじゃない、本物の真桜さん。



改札口を通ったのか、すぐ目の前に立っていて。


真っ直ぐに俺を見つめてくる瞳に視線を逸らしたくなる。




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