バレンタインと俺の心情
「ふふっ......あたしもだよ」
そんな言葉と共に、真桜さんの匂いに包まれる。
「えっ」
......何が起こってるんだ?
今の俺はこの状況に頭がついていかない。
俺、真桜さんに抱きつかれてんの?
確かに、俺の背中には真桜さんの手がまわっている。
「もしかして頷くと思ってなかったの?」
「......まぁ、な」
少し笑いながら俺の顔を覗き込む真桜さんから視線を外す。
だって、ほとんどダメ元だったし。
まぁ嬉しいけどさ。