桜時雨の降る頃
エピローグ
「あれっ?」
翌日、もう一度朔斗の部屋に行ったわたしは
引き出しに入っていたあのアルバムをゆっくりとめくっていた。
すると、昨日は気づかなかった写真があるのに気付いた。
わたしの素っ頓狂な声に反応した朔斗が、なんだ?と側に寄って来る。
わたしが見ていた写真に気付いて、あぁ、と笑った。
「成長してからの3人の写真て意外とないんだよな。これ、その貴重な一枚だわ」
そういえば、わたしが無理矢理セルフタイマー使って撮らせたことがあったような……
写真の中でわたしと陽斗は笑顔、朔斗はムッツリしかめっ面。
嫌がってたなぁ、とクスクス笑って
その写真を取り出すと
後ろから1枚、ひらっと写真が落ちた。
拾って表に返してみるとそこには、
わたしと朔斗のツーショットが収められていた。
思わず息を呑んだ。