桜時雨の降る頃
そして、わたし達は同じ高校へ進学することを決めた。
幸いにも3人とも同じような偏差値だったからだ。
それが決まった時には、周りにも「あと3年は一緒かぁ。家も近所だし本当に腐れ縁だね」と散々言われた。
佳奈ちゃんだけが、心配そうに
「しーちゃん、大丈夫なの? 2人と離れてみるっていう選択肢もあるんだよ?」
と言っていたけど
わたしは首を縦に振った。
「それも考えたけど、一緒にいられるうちは一緒にいる」
大人になったら、自然と離れる時が来るんだろうから。
いつかお母さんが言っていた『うかうかしてると本当に誰かに取られちゃうわよ。絶対かっこよくなるから』というセリフが頭に浮かぶ。
本当だった。
2人ともかっこよくなってしまった。
でも、彼女になりたいとかはない。
だって、恋人は別れたら終わりだけど友達は永遠だ。
会えなくなるなんてことはない。
わたしは本気でそう思っていた。