初恋の幼馴染み~彼がホストになっていたら~
友梨は結局友達とはぐれたまま、一人での帰り道。


「喧嘩かぁ……私の為に喧嘩してくれた事があったっけ……」


友梨はぼんやりと、純と田舎で過ごしていた頃の事を思い出していた。






中学1年の夏。


田舎なので学年で30人ほどの小さな学校。


クラス替えもなく3年間同じクラスメイトだった。


「きゃあーっ!!」



授業の終わった直後、机に伏せて寝ていた純が突然の悲鳴で目を覚ますと、黒板の前でしゃがみこんで友梨が泣いていた。



「友梨っ!!どうしたんやっ?」


「うっ……ひっく……ひっく……」





純の名前は、新條 純(しんじょう じゅん)


身長は高くなかったが、可愛らしい顔立ちがアイドルに負けないほど整っていて、学校の女子から大人気。


そんな純が時には兄のように、時には弟のように接していた事で、友梨がいじめの標的にされた事があった。


純の事が好きな女の子グループのリーダーである恵里佳が、クラスにいる不良少年の龍に指図したのだ。


「友梨を泣かして」と。


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