初恋の幼馴染み~彼がホストになっていたら~
響音は辞めないで頑張れ。という言葉は、これまでに飽きるほど聞いた。


それが簡単に辞めて、他で頑張れなんていう純の言葉は新鮮であり、無責任という気持ちもあり複雑な気分。


「本当に大丈夫かなぁ?私、キャバクラでしか働いた事ないし……」


「そう思うなら、もう少しキャバクラで働いてたらいいんじゃない?
響音に癒されて頑張ってるお客さんも、たくさんいるんやからな?」


響音はそう言われると、悪いお客さんばかりではなく、楽しかったお客さんとの事が思い浮かんでくる。


「そうだね。いい人もいっぱいいるもんね?」


「そうそう。慣れた仕事をしながら、新しい夢を探せしていけばいい。
別に慌てて答えを出さなくてもいいんやからな?」


いつも冗談と子供のようなギャグで笑わせようとする純は、人が悩んでいると何かに取りつかれたように良いことを言う。


そんな18歳の若造が突然、人生の大先輩のような事を言ってくるギャップ。


これが純をNo.1に押し上げた魅力なのだ。



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