きっかけは







「この前の土曜日に漸く可憐さんに報告したから解禁」

「か、解禁って!
ど、土曜日って飲みに行った次の日?」

「おぉ、そうそう」

「そうそうって、てめぇ、人の事煽るだけ煽って自分は可憐と会ってたのか!」

「へぇ、煽られたって事はずーっと考えてたんだ?」

「ぐっ…………」

「で?一週間間ずっと考えて、なんかわかったか?
可憐さんへの愛情を認識できたか?」

「わかるも何もやっぱり可憐は気の合う同期!
それ以上でもそれ以下でもないし
可憐の事はもちろん好きだよ、でもそれは人間として!
男女の想いはないね」




さっきの可憐の笑顔が脳裏に甦ってまた、キュンと音をたてた
キュッと胸を掴む


よくよく考えたら今までだって飲みに行ってた時にキュンと鳴ったりしてた
そうだよ、今に始まったことじゃない

やっぱり俺と可憐は変わりない



「なんだよ、乙女みたいに胸に手あてて
可憐さんにドキドキでもしたのか?」



ドキドキ?

そうだ、俺は単純な事を忘れてた

はっきり言ったにも関わらず相変わらずニヤニヤ笑う高梨に俺はふんっと鼻で笑ってやった



「そうだよな、やっぱり好きならドキドキするよな?」

「は?」

「高梨!よく聞け!俺は可憐にドキドキなんてしない
お前に煽られてわからなくなってたわ
残念ながらドキドキなんて音は鳴らねぇな!」







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