きっかけは
「可憐、ネックレスなんて珍しいな」
「え?あ、」
可憐の顔に少しだけ戸惑いの色を載せた
あ、なんとなくわかった
「…………あー、部長から?」
しまった!
思わず………
可憐は驚きに大きな瞳を更に大きく瞠る
「彰………気付きすぎだよ……」
「………」
1つ、彼女のちょっとした変化に気付いた
認めるしかない
俺は………
可憐が前髪切ったのも
可憐がいつもはしないネックレスを着けてたのも
可憐だから気付いたんだ
でも、なんで?
わからないんだ
可憐はいま、俺に見付かって恥ずかしがってるわけじゃない
部長の事を知られて気まずいわけでもない
悲しいんだ
なんで?
可憐のいろんな表情を見てきた
笑って、泣いて
でも、こんなに悲しい笑顔は始めてで
今、可憐が何を考えてるのか
なんで、そんな顔をしてるのか
知りたい
俺の知らない可憐が
あいつなら知ってるのか?
「可憐………出よう」
「え?」
「ほら、行くよ」
「あ、彰?」
俺は可憐の手を取った
三年も一緒にいて
始めて手を取って
繋ぎ直して
指を絡めた
その瞬間、ちょっとだけ泣きそうになった
1つ、彼女のちょっとした変化に気付いた
その瞬間、今まで閉じ込めていた想いに気が付いた