きっかけは





「お前の目は節穴か!

いつもいつも可憐さんとイチャイチャしてるくせに無自覚でこっちの身にもなれ!」

「い、イチャイチャなんてしてねぇ!」


なんで俺が可憐と?

い、イチャイチャなんて!

高梨は怒りを隠そうともしないで更に睨みつけてくる



「ずっといつかは言ってやろうかと思ってた

でも、お前だって大人だし俺が言うのもどうかと思ってたんだ

まあ、良い機会だし言ってやる」

「な、に、を………」




怖いんだけど

なんで、俺さっきから睨まれてんの?


なんで?


花の金曜日で久々に早く仕事終わって

高梨と飲みに来て

さっきまで、楽しく話してたよな?




「お前、入社して何年?」

「え…あ、三年………」

「その間彼女は?

入社当時彼女いたよな?すぐ別れた女

そのあとは?」

「今はそんな時期じゃないし」




三年間必死だった

前の会社を辞めたこともあってどうしても頑張りたかった




「女は?」

「え?」

「彼女いなくても遊ぶ女は?」

「……………」

「三年間、女抱いてないのか?」

「……………」




なに、この質問

なんで高梨に俺の女事情を………




「へぇ、抱く女はいるのか?」

「い、いねぇよ!

三年どころか前の彼女とも最後は………あっ……」





墓穴


俺はアホか




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