桜の下できみを待つ
それは春の知らせ
制服のスカートを春風がふわりとさらっていく。
嫌でも春が来たと実感させられる。


春は、嫌いだ。


どいつもこいつも浮かれて、あたかも自分が世界で1番幸せだと勘違いしている奴らばかりで嫌気がさす。
自分の名前にも入っている春がこんなにも嫌いになったのはいつからだっただろう。


そんなどうでもいいことを考えながら学校から寄り道もせず、家へまっすぐ帰っている私は、中原音桜。高校2年生だ。
普通の高校生は友達と遊びに行ったりするのだろうけど。

生憎私には学校に友達と呼べる人がいないし、それを苦痛に思ったこともない。まぁ、どうでもいいけど。


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