桜の下できみを待つ
家を出たのはお父さんとお母さんのせいじゃない。
ただ、チハルに会いたい。
それだけだった。
空はもう真っ暗で、曇ってて星は一つも見えない。
まるで私の心の中みたいだ。
「ネオちゃん、なんでいるの」
「…チハルこそ」
そこにいるって確信は無かった。
なんとなく、この桜並木に来たら君に会えるような気がして。
君に会ったらいろいろと言いたい事があったんだよ。
でも君ってほら。
またそんな綺麗に微笑むんだから。
私はそれだけで胸がいっぱいになるんだよ。
「チハル、さっきはごめん」
「うん。」
少しの間でいいんだ。
もしかしたら君にとっては退屈かもしれないけど。
それでも私は君に私の話を聞いてほしいんだよ。
「ねえチハル、少し私の話聞いて」