サムライ君とメガネちゃん
「その…女性と…あまり話したことがないゆ

え、その…」

「うん」

「申し訳ない。拙者といると、退屈であろ

う?」

彼の顔が、じわりとにじむ

にじんで、表情がわからなくなる

あれ、私、涙が…ポロポロ

また、泣いちゃった

この人は…この人は、自分が一番大変な状況

にあるのに…異世界に迷い込んできて、心細

いだろうに、私のことなんかを心配して、

気を使ってくれているのか

しかも、私と同じ事を、考えていたなんて

固定観念があった、昔のサムライは無口

で、武骨で、冷酷ってイメージが

「あの、私、男の人とお付き合いしたこと

がなくて…

何を話したらいいのか、わからなくて…

ごめんね、ごめんね…ぐすん」
< 187 / 362 >

この作品をシェア

pagetop