サムライ君とメガネちゃん
いきなりテツ君は私の右手をつかみ、私を

歩道のはしに引っ張っていく

え、何?テツ君?怒ってるの?

「りおかどの、こちらへ」

低い声で話すテツ君。真剣な顔付き。

やがて…

私は史跡の横のビルへ連れていかれる

ビルの壁に背を向け、立たされる

やっぱり怒ってるんだ、テツ君

どうしよう、私が泣いてばっかりいるから



ついに愛想をつかされたんだ

殴られる、叩かれる、そして捨てられる

私は身構える

彼は無表情に、私に向けて右手を伸ばす

目をつむる。ごめんなさいごめんなさい

ごめんなさい!

………

彼の右手は私の顔を通過し…後ろの壁に手を

つく
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