サムライ君とメガネちゃん
「ああ、もう泣かぬ、泣かぬから!」

私が必死に抵抗する姿を見て、ミハルちゃ

んとミキちゃんが爆笑する

「さあさあ、みんな座って座って!

泣き虫パーティの始まりよ!」

頃合いよく、お母さんがみんなを座らせる

ジュースで乾杯

ミハルちゃんとテツ君は、お母さんの手料

理を「美味しい!」「美味なり!」とかいっ

て貪り食っている

ミキちゃんもニコニコしながら食べている

何とか…落ち着いた私も、モグモグと食べる

ああ、私は…しあわせものだ

世界一、いや、宇宙一、しあわせものだ

こんなにいいお友だちがいて

こんなに優しい、カレシがいて

それを、私は勝手に解釈して、疑って

確かめることもせず

疑心暗鬼もいいところだ

お母さんのおいしい手料理を心一杯かみし

めながら、私はまた、涙がにじんでくる
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