サムライ君とメガネちゃん
「あんたらに、聞かれたくない!」と意地を

張っているように

「ミハルちゃん…?」

声をかけようとして、そっとミキちゃんに

笑顔で制される

美少女は優しい笑顔を浮かべて、静かに私

を部屋の外に連れ出す

旅館の屋上…

静かに、虫が鳴いている

「りおかさん、あの人は…ミハルさんは…」

静かに、歴女は語り始める

「妙法寺様に、密かに想いを寄せておられ

たのですわ」

…もしかして、と思ったこともあったけど、

やっぱり…

うすうす、感じてはいたけど

テツ君が幕末の時代に帰る夜…「テツ君と一

緒に行きたい」って駄々をこねた私を、厳

しくたしなめたミハルちゃん
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