サムライ君とメガネちゃん
なんと言っても、あのアクセサリーショッ

プで、テツ君と楽しそうにはしゃいでいた

ミハルちゃん

あの、弾けんばかりの笑顔は、演技じゃ無

かったんだ

心の底から、テツ君と一緒の時間を楽しん

でいたのだ、あの時は…

「…ミハルさんは…心の強い方、でも、内心

では、人に言えない、弱々しいものを抱え

ておられるのだと、思いますわ」

ミキちゃんは、しみじみと語り続ける

「ミハルさんは…妙法寺様の心が、りおかさ

んに一途であると悟ったとき、涙を飲ん

で、黒子に徹しようと思ったんでしょう」

…私は今までのことを振り返る

テツ君と私が登下校時、一緒に歩いていた

とき…

史跡巡りと称して、市内をデートしたとき

ミハルちゃんは、どのような思いで私たち

を見つめ続けていたのだろう
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