サムライ君とメガネちゃん
テツ君がタイムホールに吸い込まれる前、

何よりも彼女が、「一緒に行きたい!」と思

ったに違いない

そしてミハルちゃんは今日、松下村塾を訪

れ、そこでテツ君の息吹を感じ…彼のあまり

にも大きい存在感を思いだし…先程、声を殺

して泣いていたんだろう

もう会えない、サムライ君のことを思い出

しながら…

私にも、ミキちゃんにも言い出せなかっ

た、ミハルちゃんの切ない、胸のうち…

でも…

「ミキちゃん…」

「?」

「私…もしテツ君が生きていたとしても…

もし、幕末の時代に帰ってなくても…

テツ君のことが大好き。諦めたくない。

誰にも、渡したくない

たとえ、ミハルちゃんでも…」

ミキちゃんはニッコリ微笑んで、私の手を

握り、
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