サムライ君とメガネちゃん
「りおかさん、そう言うと思ってました

ミハルさんも、それを望んでおられます

わ。もちろん、ワタクシも、ね。」

美少女はそう言って、ウィンクする

「ミキちゃん…」

「『知れば迷い、知らなければ迷わぬ、恋

の道』…新撰組鬼の副長、土方歳三様も言っ

ておられますわ。」

私たちは、更け行く夜空の下で、しばらく

手を握りあって、そして見つめ合う

こっそりと部屋に帰ると、ミハルちゃんは

軽い寝息をたてて眠っている

私たちは、静かにお布団に潜り込み…ミキち

ゃんは、すぐに寝息をたて始める

明日は…下関砲台跡を訪れる

テツ君が、最期を遂げたとされる場所だ

私にとって、巡礼の地だ

巡礼の…

「ゲフッ!」

胸に衝撃を感じ、私は眼を開ける

ミキちゃんの右手が、私の胸の上にある

続いて…彼女の右足が、私の体に命中

「ミ、ミキちゃん…痛い…」
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