キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
「きゃははっ!たかーい!」
鈴ちゃんの背中を押してブランコを高く漕ぐ。
鈴ちゃんはブランコに夢中だけど私はあの二人が気になって仕方なかった。
今日は私だけが呼ばれていた。
でもこれが亜沙美と広瀬くんが話し合うチャンスなのではないかと思って広瀬くんを密かに誘っていた。
もしこれで二人の仲が離れてしまうのではと考えたりもした。
"大丈夫!あの二人はちょっとやそっとじゃ崩れないよ!"
七笑に背中を押されて勇気が出た。
七笑がそう言えばほんとにその通りな気がしてしまう。
「……まー?」
「…?鈴ちゃ……ん…」
いきなり鈴ちゃんはブランコを少しずつ止めて亜沙美の名前を呼んだ。
鈴ちゃんの視線の先を見るとベンチに座った亜沙美を広瀬くんがそっと抱き寄せていた。
亜沙美は両手で顔を覆っているけど、どこか広瀬くんに寄りかかっているように見える。
そして亜沙美はきっと……