キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



「まー、ないてるの…?…まー!」


「鈴ちゃん!お母さんは大丈夫よ!」


「だいじょぶなの?まーかなしんでる……」



確かに亜沙美は泣いているんだろう。



でもあれは悲しいからじゃない。



鈴ちゃんと同じ目線になるようにしゃがんで鈴ちゃんを見つめる。



鈴ちゃんは眉をハの字にして不安そうにしている。



「ママはね?嬉しくて泣いてるんだよ。
今までの不安を全てあの人が受け止めてくれたからきっと嬉しかったんだよ」


「そうなの?まー、よろこんでるの?」


「そうだよ。ほら見てみて?」



私を見ていた鈴ちゃんをもう一度亜沙美たちの方を見せた。



顔を伏せていた亜沙美は顔を上げて広瀬くんと目を合わせる。



すると二人して笑顔になった。
互いに額をくっつけて広瀬くんは亜沙美の目にたまった涙を拭っている。



その姿を見て二人はやっと今までの想いを伝えられたのだと安心した。


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