キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
というか花火大会の日って。
「…補習になれば行けないわよ?」
「えぇ!?なんで!?なんで!?」
「あ、補習と同じ日だ」
私と七笑のところに戻ってきた乃々葉が呟いた。
今年の花火大会は補習と同じ日になってた。
ということはテストで赤点をとって補習になれば花火大会には行けないということ。
それに気づいた七笑は頭を抱えて叫んでいた。
これで少しは勉強をやる気になるといいけど。
視線を外すとふとセーラー服を着た栗色の髪をした女の子がこっちに走ってくる姿が目に入った。
こんな街中で彼女が目に入ったのは不思議だけど、誰かに似てると思うと目が離せなくなった。
「……希穂?」
隣にいた乃々葉が誰かの名前を呼んだ。
乃々葉の目線の先には私が見ていた彼女がいた。
「え、きほりん!?
きほりーん!久しぶり~!」
七笑は乃々葉が言った名前に反応して走ってくる彼女に大きくてを振った。